運命の人と巡り会えたら、どうなるのだろう。触れるだけで指先が痺れるように熱くて。重ねた唇には、かすかな甘さが残るのかもしれない。一枚の板を挟んだ世界は、あまりにも幸せそうで。うつむいた先には、剥げかけたネイルが見えた。私は、そちらで生きていないから。白馬の王子様なんていないことは、とうの昔に知っているのに。【巡り会えたら】
10/3/2023, 3:56:39 PM