休日に自転車で山に行く。目的は気分転換と人気のない場所で流星錘を振り回すためだ。
流星錘というの中国の武器で、長い縄の先に金属製の重りがついており、それを遠心力を使ってぶんぶん振り回す。いつも行く山には頂上へ行くまでの道がしっかり整備されており、その途中の見晴らしの良い場所に木製の机と椅子が設置されている。ほどほどの広さがあり、整備されてるわりにはめったに人が通らないので、この場所で振り回している。
いつものように振り回していると、何か気配がする。振り返ってみると大きな猪がこちらを見ていた。
だが私は猪には興味が無いので、ぷいっと顔を逸らしてぶんぶん振り回す動作に没頭する。
猪もまた、ぷいっと顔を逸らして、のそのそと歩き始める。
ぶんぶん振り回す私。
のそのそ歩く猪。
私の時間。
猪の時間。
私は私。
あなたはあなた。
9/20/2024, 2:47:07 PM