夕木

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【題:溢れる気持ち】

――もう、休みたい

 他の人よりなんにも努力してないのに、強くそう思ってしまいます。

 学校には週の半分ぐらい行けてません。
 いけたとしても三時間目からとか、午後の授業からです。

 課題もほとんど手につきません。やりたくないことが、何でか一つもできないんです。
 ここ一ヶ月で提出した課題は、学校に着いてから急いでやった、歴史のプリント一枚だけです。

 人ともほとんど話せません。学校で話す言葉は、一日で10言にも満たないです。
 班活動では、一人だけなんにも話せないから、邪魔なだけでしょう。

 夜は、寝たくありません。夜は楽で、日中より楽しいからです。
 朝は起きられません。夜に寝ないからです。

 みんな優しいから苛められたり不満を言われてないだけで、きっとみんなから要らないやつ、って見られてます。
 それか、存在すら認知されてないかもしれません。

 だからもう、ずっと休んでしまいたいです。

 家で毎日、ゲームとか、SNSとか、自分がやりたいことだけしてたいんです。




 でも、やっぱり、怖いんです。完全に止まってしまうってことが。

 完全に止まってしまえば、それからずっと、もう歩き出せなくなってしまいそうだからです。
 なんにもできない、ゴミみたいな人間になってしまいそうだからです。

 だから、学校にいかなきゃって、いっつも言い聞かせてます。

 でも、すぐに楽したいって気持ちにまけて、結局行けません。


 今日は、お母さんに『どうしてほしいの?』って聞かれました。


 休んでいいよ、って言ってほしい気持ち。
 ダメな人間になりたくないから、無理やりでも学校に行かせてほしい気持ち。
 もうほうっておいてほしい気持ち。

 いろんな気持ちが一気に溢れてきて、ぐちゃぐちゃに混ざりました。

 だから素直に、『分かんない』って答えました。

 お母さんは寂しそうで、ちょっと怒ったような表情になりました。

 喉がきゅっとしまりました。痛かったです。

 もう部屋にいっていいよ、って言われたから、逃げるように自室へ入り、扉を閉じました。

 その瞬間、『自分は弱いな』って気持ちがどばっと溢れてきて、体内を埋めていきました。

 それは今、涙とうめき声という形で、外に出ていっています。

 でも出ていったそばからまた気持ちが貯まっていきます。

 いつになったら、溢れなくなるんでしょうか。

2/5/2026, 11:28:45 AM