『街へ』
鄙びた村で祖父を師匠に、野生動物を相手に武術の稽古に明け暮れていた。16になる年に祖父が亡くなりどうしたものかと思っていると都がにわかに騒がしい。西の国の城が一夜にして魔物に攻め滅ぼされ、魔王の復活を宣言したのだという。祖父からなぜ稽古をするのかと尋ねたとき、いつか魔王が復活するときのためだと返されたが、まさに今がその時だったのかと腑に落ちた。祖父の墓前に花を手向け、少ない荷をまとめて村を出る。仲間を探そう。東の国の城には冒険者の集う酒場があると聞く。そこでなら魔王を倒してみせるという勇者が現れるかもしれない。
1/28/2024, 11:59:08 PM