ただ、必死に走る私。何かから逃げるように。
走って走って息が切れて、そして気付く。
私は何から逃げているの?
理由がわからなくなって、やっとその場に立ち止まった。
滝のように流れる汗もそのままに、ハァハァと肩で息をしながら考える。必死に走っていた理由を。
少しずつ息が整い、脳に酸素が行き渡ると、やっと思考が追い付いた。
そうだ。逃げていたのは、今の生活からだ。
今の、同じことを繰り返すだけの生活がイヤになり、逃げていた。けど、走って逃げてわかったよ。
同じことを繰り返すだけの毎日が、実は幸せなんだって。逃げたくなるような出来事が起こらないことが幸せだって。そう気付いた私は、来た道を戻るのだった。
5/31/2023, 9:59:40 AM