こんなふうに
お題に対して
発熱寸前になりながらも
昼に大急ぎで食したそばなどが
欲しい言葉のかわりに
口から溢れ出そうな感覚を覚えても
帰宅途中にひねり出そうとしても
何も浮かばず もはや自分には
血を吐くしかないと悩み抜き
帰宅後に風呂掃除をしながらも
タイムリミットが近づこうというのに
今夜は このアタマに何一つ浮かばない
まさにときが止まるようなこの状態は
「最悪」とは言わない。
こういうのは「最低」というのだ。
それは、自分の生活の中で
度々体験する馴染みの深い感情。
たとえば
ようやく 文章がなんとか形になって
あとは右上のOKを押すばかりと
いう まさにその時
掃除中の私の姿を鏡のように映しだす
エメラルドグリーンの
限りなく美しく
罪のかけらもない
そのぬるま湯のバスタブに
手を滑らせてスマホを落とすような
まさに心臓が止まるようなこの瞬間を
「最悪」という。
「さいあく」
6/6/2023, 12:28:31 PM