月影

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子供の頃、未だ世の中を知らない時分。夢は無限大だった。多種多様の夢の中から、僕は1つの夢を抱いた。

努力すれば絶対になれる。そう思って、疑わなかった。だけど、成長していくにつれて、悲しいかな現実の壁を見る。絶望し、挫折を繰り返す。夢が、あんなに輝いて見えていた夢が、恐ろしく思えてくる。投げ出し、逃げ出した。

けれど、やっぱり諦めきれず前、前、前へと進もうとする自分がいる。
食べ掛けのまま置いた夢を、子供の頃の夢を、諦められなかった。

だから、こうして僕は今此処にいる、立っていられる。あの頃は苦しかった、挫折も嫌というくらい味わった。人生、現実を知った。知ってきたからこそ、楽しいとも感じられている。
夢は絶望を与えるけれど、それと同様に叶った時の言いようない喜びと希望を与えてくれている。

6/23/2025, 4:43:44 PM