途中書きです。すみません。
ラブレターまで辿り着かなかったけど、書いたところまででとりあえず投稿しておきます。
この後ちゃんと問題のラブレターが出てくる予定です。
あと、今回の話はフィクションで、実在の人物や団体などとは一切関係ないです。
「手紙の行方」
「ねぇ、好きな人いるー?」
学校からの帰り道、友達と一緒に帰っていると、唐突に恋バナが始まった。
内心ドキドキするのを抑えつつ、至って冷静に努める。
「…いない」
…本当はいるけど。
「えっ、いるの?だれ?」
「だから、いないって」
…なんでバレてるんだよ。
「ふふっ。耳、赤くなってるよぉ」
瞬間耳を手で隠すが、もう遅い。
「やっぱり!誰なの?」
「これは、その、違っ」
必死に否定するが、否定すればするほど隠したいほど好きな人と思われてしまうことに気づいてさらに顔が熱くなる。
「…みずきくん」
「あっ、西くん」
「桜井くんとか」
私の好きな人を当てようと、友達が同じクラスメイトの名前を順に挙げていく。
…他クラスだから大丈夫なはず。
「うーん、あと誰かいたかな。あっ、三宅くんは?」
…なんで。
一気に汗が噴き出す。
冬なのに身体が熱くて仕方がない。
「違うかー。難しいな」
…ぁ、セーフ。
友達が次の名前を考えてる間にやっと少し落ち着いた。
ずっと王手は心臓に悪い。
…今度は私が反撃する番。
「逆に、好きな人いるの?」
と私が聞くと、友達はもじもじと恥ずかしそうにし、「えー、聞いちゃう?…誰にも言わない?」と顔を赤くして言った。
誰にも言わないと約束すると友達は顔を近づけて小さく呟いた。
「あらしみずきくん」
…よりにもよって嵐くんか。
小学4年生の時、私は同級生の女子の中で3番目に頭が良いから、という理由で同じクラスだった嵐くんに告白された。
1、2番目の人たちにはもう既に振られてしまったので、私に話が回ってきたらしい、と風の噂(友達の友達の友達)で聞いていたので私も同じように振った。
小学生ながら学年で3番目に頭が良いから好きって言ってくる人とは関わってはいけないと悟って、嫌いになってもらえるように結構ひどく言った覚えがある。
結果なぜか「お前なんか誰が好きになるか」と言われ、度々嫌がらせをされるようになった。
嫌がらせに「やめて」と言うと、さらに喜んでやってくるので、何があっても表情を変えずに耐え続けた小学4年生は本当に大変だった。
…クラスが離れてやっと縁が切れたと思っていたところなのに、また関わらなきゃいけないのかな。
「…あ、嵐くんだけはやめておいた方が」
「なんでそんなこと言うの?…もしかしてみずきくんのこと好きなの?」
「そんなわけあるか!」
私の返事を聞いて、ライバルじゃなくてよかった、と友達は分かりやすくほっとしていた。
私と友達なのになぜ私と嵐くんとのいざこざを知らないのかと言うと、友達が転校してきたのが小学5年生の時だったからだ。
多くの女子からどこのクラスでも人気者で、頼もしくかっこいい人に見えているようだが、私から見たらただの失礼な乱暴者のまさに嵐のような人である。
2/18/2025, 2:05:39 PM