耳を澄ますと、心地よい自然の音が聞こえてきた。
自分の地域が田舎寄りでここだけは好きなところだ。
この学校までの通学路を歩きながら、今日もあの子のことを考える。
あの子はどこに住んでる?どの学校?名前は?
「…何もわからない」
つまらない独り言だ。
以前紙飛行機をあの子に当ててしまった時から、彼女がどうしても忘れられない。
駅に着いてSuicaをゲートにかざす。
「まもなく、一番線に列車が参ります。危ないですから――」
「…あ」
聞き覚えのある声に、思わず首が捻じ曲がるほどに思い切り振り向いた。
「やっぱり、この前の人」
心拍数が急激に増加する。
心地よい風に吹かれたその子は、自然がこちらまで連れてきてくれたのだろうか。
『耳を澄ますと』
5/5/2026, 7:06:37 AM