るに

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午後23時。
少しウトウトしてきた頃、
外の暴走族がうるさい。
うざったく思えて、
今すぐにでも大通りへ行って
蹴飛ばしたい気持ちで
いっぱいだった。
ブンブンずっと鳴らして
イキりたいだけのただのバイク乗りが。
ドロっとして黒い言葉ばかり出てくる。
こんなうざい音より
雨の音を聞いていたい。
へなちょこの迷惑客より
紅葉の山や草原を見ていたい。
私が世界を作るとした時に
いらないと思ったものは
今の私にもいらないもの。
綺麗なものだけ摂取すればいい。
人にされて嫌なことは
自分もやっちゃいけないって、
それはつまり自分が嫌なことは
いらないってこと。
でも私が私のいらないものになるのだけは
絶対にイヤ。
だから深呼吸して
新鮮で少し冷たい空気を
目一杯肺に取り入れる。
私がまだ私にいると思えるものだって
そんな人なんだって確認できるように。
まだ、
まだ大丈夫。
まだ私は私で、いるもの。
人の笑い声。
虫。
貧乏揺すり。
咀嚼音。
サイレンの赤色。
怒鳴り声。
あー、私いつかいらなくなるなぁ。
深夜はいつも私の味方。
静かで綺麗。
でもきっと私は
深夜の敵になる。
いらなくなる。
捨ててしまいたくなる。
"Good Midnight!"
疲れる。
泥のように眠る。
部屋の電気がついたまま。
永遠に消えない灯りは
悲しさと煩わしさが
混ざってできた
汚い感情ばかりだ。

12/6/2025, 2:10:39 PM