木蓮

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そろそろ雪が積もりだす。スキー場の開く季節。雪山の小さな宿が私の実家。少しずつスキー好きが集まりだす。特にうちの小さな宿にはスキー部の大学生が特に多い。ちょこちょこと両親の手伝いをしているとなんとなく顔も覚えてくる。
高校から帰るとすでに客が来ていた。
「あ、今年もよろしくね!」
大きな荷物を抱えて手続きをしている青年が振り返った。今年で4年目、大学1年生から毎年来てくれている。
「また来たんですね」
興味のないふりをする。本心はどうせバレている。
「じゃあ夜ご飯楽しみにしてるね」
ひらひらと手を振って部屋に消えていく。彼女がいるのは知っている。冬の間だけは私のもので。

12/18/2023, 11:44:23 AM