糸井

Open App

冬になったら。貴方と炬燵で鍋とかお餅とか食べたいし、外でかまくらを作ったり雪だるまを作ったり。雪合戦だってしたい。

じゃあ、貴方が居ない今は何がしたい?

貴方と二人でやりたい事は幾らでも思いつくのに。
一人でしたい事なんて何にも思いつかなくて。

季節が変わるのも、明日が来るのも、全てが楽しみで満たされていたあの日々がたまらなく恋しくて、輝いていて。その時の自分が妬ましい。
今はもう、日を重ねる毎に希望が薄れて、焦燥にばかり駆られているから。

それでも、雪はあの時と変わらず、一点の曇りもなくただただ真っ白に辺り一面を染め上げるんだろうな。

変わったものも変わらないものも、残ったものだって等しく大切な私の宝物なんだ。

貴方にまた会えるまで、寂しさや悲しさが無くなる事は無いけれど。何十回でも何百回でも、何千回だって冬を越してみせるよ。貴方が私の胸に残した暖かで無数の希望と一緒に。

『冬になったら』

11/18/2024, 9:11:56 AM