今日はエイプリルフールだ。
いや、厳密に言えばエイプリルフールは昨日だったのだが話す相手もおらず嘘をつくことができてない。
今日は4月2日の木曜日。彼女の佳奈と会う日だ。
佳奈に何かしら幸せになる嘘を着くことにきめた
「佳奈!」
「あ、祐介くん」
彼女の佳奈。何故か暗い顔をしていた。
「佳奈〜そんなくらい顔してどうしたんだよ」
「え?実はね、前大人になったら結婚しようって言ってくれた人の命日なの。」
今なんて言った。命日?エイプリルフールの次の日が?
「そんな冗談やめろよ〜」
「冗談じゃないよ」
佳奈は真剣な顔をしていた。
近くのカフェに入って話を聞いた。
名前は「駿」と言うらしい。
幼稚園に通ってる頃に「大きくなったら佳奈と結婚する」と言ってくれた人と佳奈は教えてくれた。
だがその「駿」という人は、末期の胃がんで昨年亡くなったと言った。
手紙には「幸せになれ」と震えた文字で書かれてたと教えてくれた。
「その手紙の傍には桜の花びらもあった、あの人からの最期の贈り物かな」と佳奈は涙を流しながら話してくれた。
そんなことがあったのか。僕は何も知らなかった。
ひとり浮かれて佳奈とのデートを決めた。そんな大切な日に。
「佳奈」
「どうしたの?」
「別れよう」
「え?嘘だよね?」
「嘘じゃない」
会話は途絶えた。伝票を持ち会計に向かった。
「合計で1200円です。」
お金を払いカフェを出た。
「祐介くん」
名前を呼ばれた。振り返れない。振り返ると抱きしめてしまいそうだったから。
「幸せになってね」
その言葉を言い残して佳奈は去っていった。
「佳奈!!!!」
振り返り佳奈の名前を叫んだ。が、佳奈は振り返ってくれない。1歩踏み出したが、その1歩で止まった。走り出しそうで怖かった。ここは外だ周りに人がいる。泣くなみっともない。佳奈には忘れられない人が居る。そんな人の代わりになれるわけがない。
そうして、その嘘を最後に最愛の彼女の佳奈と別れた。
『エイプリルフール』
『幸せに』と繋がっているので、そちらも読んでくださると幸いです
4/2/2026, 4:04:07 AM