#30 『昨日と違う私』
「何か、違うわよね?」誰かの囁きが聞こえた。
知っている。
私が昨日とは違うことくらい、、
自分がいちばんよくわかっている。
この手で双子の姉の首を絞めた。
その記憶は、まだ指先にべっとりと張り付いている。
そして今私は姉の服を着て、姉の顔をして、姉として生きている。
みんなが感じる違和感はきっと私から滲み出る悪意か、
あるいは姉の死の残り香だろう。
でも構わない。ずっとそうしたかったのだ。
あの光り輝く姉が、いつも私を影に押しやる姉が、、
心底「大嫌い」だった。
その存在すべてが羨ましくて、吐き気がするほど憎かった。
もう二度と彼女の影を踏む必要はない。
私が、彼女なのだから。
5/22/2025, 5:27:38 PM