月夜

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それに見つめられた者は、体が凍りついたように動けなくなった。
その眼差しは、何人たりとも寄せ付けず、近づいたものを切り裂いてしまいそうなくらい、鋭い刃のようだった。信用のかけらもなく、手元の大切なものを傷つけさせない、安易な優しささえもはね返してしまうくらい固い守りのように思えた。

あなたの手元には、なにがあるの?
あなたの大切なものもまた、あなた自身に囚われているようにみえる。

わたしは、一歩前に出た。
あなたの鋭い眼差しに、深く深く貫かれながら。


『鋭い眼差し』

10/15/2024, 11:24:32 AM