「私の日記張」
「あれ…おかしいな…」
「う…ん?」
「ごめん、起こしちゃった?」
「うん、あ、いいょトイレ行きたくなってたし」あと3時間は寝れたのになぁ…
トイレから戻ってきてもカノジョはまだ何が探し物をしていた。
「何さがしてんの?」
「ん?…うん…私の日記張知らない?」
「え?!日記張?」
「うん。」
「なにそれ?」
「だから日記張、あ!見たの?!」
「いやいや!てか、そんなの書いてた事も知らないし、それにわざわざノートに書いてたの?」
「ノートじゃなくて日記張!」
そここだわるとこ?
「今時、ノ…日記張なんか、そんなアナログな!」
「そこがいいんじゃない、ちゃんと自分の字で記録を残すってロマンチックでしょ」
そうかな…
「あ!あった!そういえばこの前隠し場所変えてたの忘れてた!」
「おいおい、大丈夫か?」
「これでまた隠し場所変えなきゃ」
聞いてないし…
「そもそも自分のメモリーに残せばいいだろ」
「だから!それじゃロマンがないのよ」
「なんだよ、ロマンって」
「うるさい!わからないなら放っておいてよ」
「はいはい、あ!それよりさ!ミサキ」
キッと睨まれる
「ちょっとお聞きしたい事があるんですけど〜」
「何よ」機嫌悪いなぁ
「レディアって聞いたことある?」
「レディア?ん…どっかで聞いたことあるような、ないような?」
「どっちだよ」
「その人がどうかしたの?」何故人だと断言する?ま、いいか
「先輩がさ、」
「え!ドウジン室長?」ミサキの目に輝きが戻る。カノジョは先輩のファンなのだ
「そ、そのドウジン室長がこの間の仮眠の時にうなされてて、その時起こそうとしたら『レディア!』って叫んでたんだよな」
「そんなの室長の想い人でしょ」
「そうなのか?!」
「ん?知らない」
「へ?」
「そんな、あの室長が夢にうなされて名前を呼ぶ人だよ、そうに決まってるじゃない」
「ん……でもあの人に女ッケなんて微塵も感じないんだよなぁ」
「別れてまだ未練があるとか?」
「あの室長が?」ナイナイと大きく手を扇ぐ
「忘れられないとか、二人は結ばれない運命だったとか!」キャー!
あ、まずいコイツの妄想が始まるとめんどくさいんだよな…
「任せて!ちょっと調べてみる!」
何故か鼻息が荒くなってるぞー
「無闇に話し広げるなよ」
「だから任せてって、隠密行動が鉄則よ!」と言いながら何やら先程の日記張とやらにツラツラと書き始めた。
「ミサキさん、何書いてるのかな〜?」
「忘れないように書き留めておくの!」
「それ日記張だよね、」
「そうよ、ちゃんと記録しておかなくちゃ」何か用途が違ってる気がしたが、そこはそっとしておく事にした。
後は、彼女の本職である情報収集力に期待しつつ、自分でも探ってみることにしよう
それにしても腹へったなぁ
ミサキはまだ何が書いている。
完全食でも食べとくか
チン!
「あ、ズルい、ワタシも〜」
「はいはい」やれやれ…
8/27/2022, 10:12:21 AM