古井戸の底

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愛寧には友達がふたりいる。正確に言えば、ふたりの作った友達の輪に入れてもらっている。
「そういえばさ、最終回、めっちゃ良かったよね!」
「だよね!マジで泣いたわ」
ふたりが昨日見たドラマの話をし始めた。こういう時、愛寧は自分の前に見えない壁ができたと感じる。
ふたりの話題に上がるものについて、愛寧も触れてみたことはある。しかし、興味を引かれたことは一度もない。
三人で横並びになっていたはずが、いつの間にかひとりだけ後ろに下がっていた。

【仲間になれなくて】

9/9/2025, 3:38:27 AM