貴方は急に現れる。旅行の景色、読書の後、夢の中に。何もかも許し合えて二人で遠くに行く世界線。そんな妄想の中でさえ冷たい眼差しを注いでいる私を発見する。いつか居なくなってしまう。死なんて不可逆的なものじゃない、貴方が私に耐えられなくなる。
その前に終わらせて良かった。私のことが好きなままで。目の前にいる貴方に呟く。貴方は動揺しない。夕焼けを背にして、ただ幸せそうに薄く笑っている。
間違っている。こんな愛し方は間違っているのに。
私、今の貴方が一番愛おしい。
8/28/2024, 12:05:54 PM