『神様へ』
ぼくが1番好きなきのみ、神様へあげます。
だから、ぼくのおねがい聞いてください。
あのね、あの人がこまってるみたいなんです。
前はね、ぼくのむねがあったかくなる笑顔見せてくれたの。
でも今はね、ぼくのむねがさびしくなる笑顔なんです。
なんでかなってぼく、いっぱい考えたの。
それでね、きっとこまってるんだって思ったの。
だってあの人みてたら、ぼくがうまくきのみ食べられなかったときとおなじ顔してるの。
ぼくがたすけてあげられたら良かったんだけど、ぼくはどうやってたすけてあげればいいか、わからないの。
だから神様、おねがいします。
あの人をたすけてあげてください。
「……まだある」
ここ最近、会社から家に帰ると不思議なことがある。
今まではあげればあげるだけ、頬につめこんでいた大好物のヒマワリの種。
それが最近手つかずになっている。
いらないのかと思って、回収しようとしたら怒られた。
「もーどうしたいの、キミは」
話しかけてもクリクリ可愛い瞳で、ハムスターはこちらを見つめるばかり。
4/14/2024, 12:14:47 PM