REINA

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あじさい



学生の頃。
学校の行き帰りの道には、ちょっとした紫陽花が咲いている小道がある。
脇に入ると家へとは少し遠回りにはなるけれど、紫やピンク・青の宝石のような鮮やかさが散りばめられている。

車では通ることのできない場所。
社会人になった今では、わざわざ歩かないとお目にはかかれない。
日々の仕事に追われて、すっかり忘れていたけれど、久しぶりにここを歩いて通った。

あの時は隣に並んで歩く彼に片想いしていたけれど、今は婚約者として並んで歩いている。
そんな未来を過去の私に教えたい。

色鮮やかに咲き誇る紫陽花は、あの時の輝きと変わらない。
まるで祝福をされているかのように。

6/13/2024, 12:31:07 PM