再生可能人間

Open App

14ページ

「お金貸してくんね?」
『えぇ……何円よ。』
「1万!まじでお願い!金欠でさ……」
『ちゃんと返してね。』
「ありがとう!!じゃ、」

『アイツ返してくれるかな……。』
溜息めながら竜也の背中を目で追った。
赤い夕日。
私は夏希、大学2年生だ。
なんとなーく過ごして、なんとなーく喋って、勉強している普通の大学生。
でも親には恵まれていると思う。
私の夢を応援していい学校入らせてくれたし大学だっていいとこ入った。

【東京都宮本大学】

私は大学名を見て少し暗くなった。
『でも…結構重荷だよね……自分勝手だけど。』
大学の1階の階段で私は独りスマホを弄っていた。

大学の1階。
食事するとことかあるけど夕方になると料金が少し高くなるので夕方からは人が来ない。なので私のスペースとして貸切だ。綺麗でオシャレだし結構落ち着く。

ザワザワ

『ん?』
私は人の声にびっくりして少し影から覗いた。

「--だよな」
「-る」
「-て---でさ-。」

3人ぐらいの男の声。
私は気づいてしまった。
この声は……クズ男三銃士……!!!

【クズ男三銃士】
数々の女子を泣かせ、モラハラを繰り返す典型的なクズ男
見た目は塩顔イケメンでモテやすいがこの大学では一切モテない。
女子達の眼と本能が危機感を持つレベルでヤバい男たちである。

『帰るか……』
階段を降りて私は玄関から帰った。





-1年後
「よすよーっす。」
『はいはいもしもし。お金返して』
「えーごめんまだムリ!逆にお金くれない?」
『1年も待ったんだよ?流石に-ってお金頂戴?!お前……』
「わかったわかった!オキニの店奢るから!ね?」
『…う、ん。わかっt』
ピッ
『切れたし。あんのクズ男め!クズ男四銃士だっていいんだぞ!でも焼肉行きたい…しょうがない私は優しい!!もう1万いや2万くれてやるわ!奢れ奢れ!!』

-1年後
『貴様!!!お金を返せ-!!!!!!!!!』
「ごめんまだムリ!もう1回お金貸して!前の2万」
ピッ
『もうっ2年も待ってやってんだけど?』
「ごっめーん!今返すから家で待ってて!」

数分後

『あんがと!3万きっちり!竜也ナイス(๑•̀ㅂ•́)و✧』
「だろー!じゃあな!!!」

-1年後
『何?どしたの?竜也?』
「……僕は竜也じゃない。」
『竜也〜冗談はよして-』
ピッ
『切れたし』

-1年後
『ん?どうしたん』
「ごめん。先いくね」
ツーツーツー……

-1年後
『最近連絡無くない?大学一緒に卒業して酒飲んだ仲じゃん?ねぇ、ねぇってば』
「………」
ツーツーツー……

-1年後
『竜也?最近LINEも見てくれないじゃん。なんかあった?私なんかやった?』
「……60年後」
ツーツーツー……

-1年後
『もしも-』
「この電話番号は現在使われておりません。」








1年後、1年後、1年後、1年後、1年後、1年後、1年後、1年後、1年後、1年後、1年後
………………………………………………………………………………………………………
『竜也?もう出ないのかい?』
『私は何時でも待ってるからなぁ………』
バタッ
「おばあちゃん!おば-」
ピーポーピーポー






































ごめんね先に逝っちゃって
でも僕は君を“待ってる”から

6/24/2024, 1:13:14 PM