穏やかな日差しに風が透ける。いつかのはじめましてが言えなくて。まだ匂いを隠しきれていなかった青天が、早とちりして出すぎた肌寒さが心を埋めていく。まるで風情を楽しんでいるようだ。細い節々の一つ一つに命が宿る。朱色と紺と鈍色が混じり合う。鼻腔を掠める秋の香りに深呼吸した。[秋恋]
10/9/2025, 10:35:56 AM