凍える朝
(未完です。ヤマなし、オチなし、イミなし)
太陽が空に姿を表し始めた頃、小さな小屋にギュウギュウ詰めになっている鶏たちは一斉に鳴き出す。
私はその声に毎回叩き起される。けして爽快とは言えない目覚め。
暖かな布団の中と、凍えるような寒さの外とは、天秤に賭ける程でも無く、私の中では理性と欲望がお互いを飲み込みあっていた。そんな私を他所に、鶏の1羽がまた声高々と声帯を震わせた。
そろそろ起きねば…「飼い主としての、責任をっ!」声を絞り出し、なんとか軽く伸びをする。そして横になったまま布団を蹴飛ばし、その勢いで上体を起こした。
布団の外はやはり酷く冷えていて、首と肩を固めてしまう。それでも何とか足を動かし、真っ先に鶏小屋へと向かった。
餌を補充し終わり、転がるように家へ向かおうとしたが、家も外も気温的にはほんの少しの誤差しかないことを思い出し、嫌気が差す。横目で鶏を眺めると、1羽と目が合い、ほんの少し口角が緩んだのを感じた。
11/1/2025, 12:02:49 PM