遊橙

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少年はうれしかった。
活気ある街で美味しそうな食べ物が客を誘うように香りがあちこちからする。
どれから食べようかと目移りしていると、ずっと隣で端末を見ていた青年が少年を呼ぶ。
依頼先はまさかの通りから離れていたらしく、すぐにここから離れなければならないことに少年は頬を膨らませ拗ねる。

そんな少年を仕方ないと少し呆れつつ少しだけ目元を和らげ依頼が終われば後で食べようと提案をした。
その一言で少年の機嫌は直り、犬のしっぽが見えるのではないかというレベルで笑顔になる。

青年の腕を掴み早く行こう!と、進もうとする少年に道はこっちだと、うれしそうな少年に心が温かく感じながら街の中に入っていった。

3/13/2024, 11:44:47 PM