心のざわめき
大丈夫だから。
その言葉を信じるしかなかった。
心のざわめきを無視するしかなかった。
私は動かなかった。
その結果が、娘の自殺だったとしても。
「だから、決めたんです」
目と口を塞がれ、椅子に縛りつけられた人影に言う。
「止まることなく、動こうって」
私は動画の撮影ボタンを押す。
ピロン、と軽やかな音がした。
これから始まるのは解体ショー。
娘を殺された親の復讐という名の自己満足。
心のざわめきはいつの間にか消えていた。
だってもう、私には心なんて無いから。
3/15/2025, 8:08:21 PM