川柳えむ

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 ――死ぬのかな、と。ぼんやり考えていた。
 意識が遠退いていくのがわかる。
 君の切羽詰まった声が聞こえる。
「絶対に死なせない!」
 ――もういいだろ。うん。大丈夫。ちょっと休むだけだから。

 そういえば、君は「会いたかった」って言ってた。あれは、どういう意味だった?
 たしかに。なんだか久しぶりに会った気がするのに、ごめん。
 でも、会えて嬉しかったな。なんでかわからないけど。

 唇に熱いものが触れた。
 止まりかけていた心臓が、再び熱く鼓動する。
 瞼を開くと、目の前に初めて見る君の泣き顔があった。


『熱い鼓動』

7/30/2025, 10:56:54 PM