夕木

Open App

【題:Kiss】

『キス』って、文字の雰囲気からその実態までの全てがセンチメンタルで、キラキラしている。


一つ恋人に落とすだけで、言葉にできない深すぎる愛情を、相手に捧げられる。
そんな、大人だけがつかえる魔法みたいなものなんだろう。


中学生の私

不安定な私

初恋すら来ていない私

女性なのに、乙女心が全く分からない私

大人になりきれない私

私が嫌っている私

なんにも愛せない私

どんな私にも、決して交わることのない言葉だ。


そう思ってたから今日、挨拶代わりにキスをする国がある、って知って驚いた。

それは、恋とか欲とかじゃなくて、ただ「あなたがここにいること」を確かめたり、「大丈夫だよ」って伝えるためのものらしい。

触れるだけでいい。深い意味なんてなくていい、だってさ。

それなら、こんな私でも『キス』を使って良いのかな。


誰かにするなんてまだ出来ないから、一度、自分で確かめてみようかな。


好きになれない、私の黒いココロに『キス』をする。

胸がふわっと浮いたような感覚。少しだけ、満たされたようだ。



私の、不確定で不安定な明日に『キス』をする。

未来に流れ星が落ちる感覚。ああ、明日も生きていられそう。



嫌いな私にも、気に入っている私にも『キス』をする。

愛情にふれあう感覚。ちょっとだけ、私という存在を許せた。




私に勇気と安心をくれた。

やっぱり、『キス』は魔法だ。

2/4/2026, 11:21:36 AM