ゆかぽんたす

Open App

今日も肌にまとわりつくような暑さだった。でも空は綺麗な水色が広がっていてなんだか清々しい。南西の方角に綿菓子みたいな雲が見えた。上に上に膨らんでいて、まるで生き物みたいに成長している。
本当にあの中に化け物でも住んでたら面白いのに。穏やかじゃないことを考えている僕は今、電車に揺られ窓から外の景色を見つめていた。駅につく頃には6時を過ぎるだろう。それでもまだまだ外は明るい。

暑いこととか、どうでもよかった。
さっきまで駅で君と話してた時、そんなの全然気にならなかった。
“また明日も会えるかな”。君が僕にそう言うから、どうにかしてこの後もずっと一緒にいたいと思ってしまった。まぁそんなのは、高校生の僕らには無理というか許されないことなんだけど。
でも本当は君とまだまだ話してたかったんだよ。時間が全然足りないんだよ。あの入道雲からドラゴンでも召喚させて、月を食べちゃえば夜なんて失くせる。そうしたら君ともっと一緒にいれるんだ。そんな、頭が可笑しい人みたいな妄想しちゃうくらいに、僕は君のことが好きなんだ。
でも明日も会おうと約束したから、そんなことする必要はない。大人しく夜を迎えて、ちゃんと就寝する。そしてまた明日君のこと、改札まで迎えに行くから。

6/30/2024, 7:40:29 AM