"タイムマシーン"
それに乗って君はやって来たという。
くだらない。何言ってるんだこの不審者
鼻高々に説明している君の話をひとまず最後まで聞いた後、間髪入れずにそう言い放った。
何だか嬉しそうにしている君に酷く狼狽える。
興味が無いわけではない。未来の技術
未だ嬉しそうにしている君の後ろでぷすぷすと煙を立てている機械は、それと言っても過言ではないほど精緻なものらしかった。
視線に気付いたらしく、気になるのかと茶化された。
私は一つ咳をしてから平静に否定する。
未来から来たのならば何をしに来たのかと尋ねれば、
君に一つ咳をされてからそれを言ってはならないとはぐらかされた。
バタフライ効果、蝶の一つの羽ばたきが要因となり世界の裏側に竜巻が発生するように
何かを私に伝えて未来で大きく“何か”に変化してしまっては困るという。
けれども、私のそばを離れたくない。行動を共にさせてほしいと変なことを言ってくる。
不審者と一緒に行動するだって、冗談じゃない
当たり前に断り、身を翻してその場を離れようとする私の後ろで君は叫んだ
それは、私にしか知り得ないことだった
すぐさま駆け寄り首元まできっちり隠している外套を掴み上げる
キッと睨み付けて詰問する。そんな私には慣れているとでも言いたげな素知らぬ顔で、こう言った。
「君が、大切なんだよ。どうしても一緒にいたい」
馬鹿げたことを。
先ほどの“私にしか知り得ない”は厳密には間違いなのだ
私と、“あの子”しか知り得ないこと。
私がいない未来で何が起きているという。
好奇心をくすぐられ、思わず笑みが溢れる
それを知っていたらしい、君は不敵な顔で笑った。
嗚呼とんでもないものに捕まってしまった!
1/22/2026, 10:55:35 AM