君が部活に来る日が僕と合わなくなった。
正確には合う日が少なくなった。
受験のために勉強を始めて、塾にも行くらしい。
一年以上先の話じゃないか、と耳を疑った。
晩夏が居直る秋のある日、僕が言う。
僕も受験しようかな。
君は不思議そうな顔をして、すぐ軽い調子で言う。
いいんじゃない。
それとなく君の行く塾を紹介してもらった。
君がにやりと笑う。
途中で音を上げるんじゃないの。
僕は半ば切羽詰まって返す。
やってみないとわからないだろ。
そんな言葉が僕の口から出るとは思わなかった。
自堕落な部活をことさら自堕落にやり過ごしてきた僕が。
君はスキップで去って行く。
同じくだらけた部員だった君は、今はどこにでも行けそうだ。
体の表面に渦巻く熱が僕を焦らす。
いいんじゃない、という声を頭で繰り返す。
今年の秋は暑い。
題:秋恋
9/21/2024, 1:00:53 PM