猫好き 花純

Open App

長文です。
お時間ありましたら、読んで下さると幸いです。




























「世界に隕石が落下する」

もし、そんなニュースが流れたら..?








































いつも通り、テレビをつけながら、のんびりと

朝ごはんを食べていると

「地球に隕石が落下するとのことです。」

というアナウンスが耳に入った。


そのとき、口に入っていた牛乳をぶーっ!と

はいてしまった。

「えっ、い、隕石?」


テレビをガン見しながらも、状況を理解出来ないで

いると、妹が階段を降りてきた。


「はぁ〜。眠ー」

妹は、目を擦ると大きなあくびをした。

「おはよー...ってえ、何はいてんの。え?」

妹は引きながら話す。


「あー、えーっと...これ見てよ!」

テレビを指差した。

そして、そーっとペーパーではいた牛乳を

拭き取った。


「隕石?えぇー..........嘘でしょ..?え。ちょっと
待って。意味不明なんですけど!まだやりたいこと
山ほどあるのに!」

えー、わー、ぎゃー!と猿みたいに騒ぐ妹の隣で

だんだん今の状況を理解してきた私─

血の気が引いてくるのを感じた。




「まずご飯食べなよ。今パン準備するから。」

冷静にならなきゃ。そう自分に言い聞かせ、

椅子から立ち上がる。


「待って!クラスのみんなにLINE送ってるから!」

妹のスマホからピロン、ピロンと通知が絶えない中

妹は、ぼちぼちと文字を打っている。





「焼けたよー
早く学校行けばクラスの人にも会えるでしょ?」

こんがり焼けたパンを皿にのせて、

テーブルにコトンと置いた。

「そっか、そだね!早く会いたいし、早く学校行こ!」

妹は椅子に座って、いっただっきまーす!と手を

あわせ、パンにかぶりついた。


もう夢みたいだ。休日明けはいつも、

「学校だるーい。休みたーい。ねぇお姉ちゃん、
休みの連絡してー、おねがーい」

と、言っていたのに、この妹が学校に行きたがる

なんて。

でも─...もう終わりなんだ。

隕石が落ちること、正直ちょっと信じ始めてきた

けど、信じたくなんかない。もっと生きたいもん。



「お姉ちゃん?おーい、ちょーっと、学校はー?」

妹に肩を揺すられて、目が覚めた。

「あれ、私なんかぼーっとしてたみたい。」

ははっと笑みを浮かべた。



「よし、そろそろ行こうかな。
ふぅー..行くよー!」

私が叫ぶと妹もついてきた。

学校にはいつも姉妹で登校している。


ガタンとドアを開け、バタンとドアを閉めて。

いつも当たり前にしている、こんな小さなことだって

もうできなくなるのか。

いつもは、めんどくさい。と思うことも今日は全く

思わない。─いや、思えない。


ガチャ、と鍵をかけた。

「ねえお姉ちゃん、もう7時半だよ?早く行こうよ。」

妹は、愛用している腕時計を見ながら言った。

「うん。」

返事をした。



そのとき─

私と妹、どちらのスマホからも、

ピロン、ピロン、ピロン、ピロンと着信が一斉に

大量にきた。一瞬でただ事ではないことが分かった。


2人はこの大量のメッセージを無視することは

当然しなかった。

ガサゴソとカバンを漁る。

─スマホを手に取り、LINEを開くと

とんでもないことになっていた。

1番ヤバいのは、クラスライン。
























─クラスライン─



「ねえニュース見た?隕石ヤバくない?どうする?」

「見た見た。もうやりたいことやっちゃう?😀」

「学校1回集まろうよ🏫」

「賛成!みんな教室集合‼️」

「思い出話?」

「なんか卒業みたいだね💐」

「まあ、ある意味”卒業”だよね🌈」

「悲しいこと言わないでよ〜(´・ω・`)」






「え、最新情報....見た...?」

「最新情報?どこで見れるの?」

「Yahooでもないよ、最新情報」

「ほんとだ、最新情報なんてない」

「今、最新情報流れると思う。
うち、まだ登校してないからテレビ見れるんだけど
テレビで..もう1時間以内には隕石が地球に落ちてくる見込みだって🕣」

「あ、今Yahooでもそれやってる。」

「嘘でしょ。」

「1時間はヤバくない?早くみんな教室!」

「あと14人来てない!」

「優斗来れないって。風邪で😔」

「え、休み?!」

「こんなときに限って!」

「源先生も教室いる!」

「あと13人!早く!!」











LINEをよみ終わった頃には汗だくだった。

「お姉ちゃん...い、1時間以内に..って..」

震えながら話すと

「それ...私もクラスラインで見た。

私、教室で集まるらしいの。だから..ごめん。

先行くね。....今まで本当にありがとう。」


私が走り始めた直後─

お姉ちゃん!!

と妹の叫び声が聞こえた。

えっ。と妹の方を向くと

今にも泣き出しそうにする妹の姿が。

「あ、彩っ?!」

私は妹の名前を言いながら

妹のところにかけつけた。

「私..お姉ちゃんといたい..
お姉ちゃんと最期..までいたい..」

妹は私を抱きしめた。

「うん。そうだね...彩も..私の教室行く..?」

私が聞くと妹はこくりと頷いた。

「私のクラスの人たちも.....来ても...いい..?」

妹は涙ながらに聞いた。

「も..もちろんだよ..!」

私は笑顔で答えた。












─クラスライン─




「あと2人だよー!」

「まだー?」

「早くー!」

「急げーっ!あと2人ー!」

「来てないのって、彩花と真乃だけだよね」

「2人ともー!早くー!」


「あと、彩花だけだよー!」

「真乃、来たよ」

「大丈夫?」

🟩 ア ヤ カ🟩 「私、教室に走るから待ってて!あと、
2年の妹とそのクラスの人たちも教室に
連れて行ってもいい?」

「彩花からだ!」

「いいよ全然いいよー!みんなもいいよね?」

「もちろんいいに決まってる!」

「ダメなんて言うわけないよ‼️」

「彩花の妹って6組だから、俺の弟いるじゃん!」

「6組?私の弟もいる🌟」

「6組なら知り合いいるわ!✌️」






妹にも協力してもらい..



「はぁはぁ...疲れたぁ....」

2年の教室から3年の教室まで突っ走った。

そして、今、2年と3年が私、3年の教室に

集まっているという状況だ。


私を先頭に2年がついてくる。

「みんな、あと少しだよ!ラストスパート!」

そう言って走る。


ガララー..

3年の教室のドアを開けた。

「来....た..よ..」

息切れしているため、話すのもやっとだ。

「彩花っ!」

クラスメイトが口を揃える。


そのとき─

「あと5分で隕石が!」

3年の海斗が叫んだ。

その場にいた一同驚いた。

「みんな教室入ってっ!
そして兄や姉、弟か妹がいる場合、兄弟、姉妹で。
いない場合、友達、親友と。
...最期を迎えることにしよう」

私はリーダーのように指示した。

みんな、顔を見合わせてから、

私を見てコクリと頷いた。



ざわざわとしている教室─

大抵は行動が終わった様。

「わっ!!」

急に、妹が腰を抜かした。

私たちは彩花(私、姉)と彩(妹)で姉妹なので、

2人でいた。だから私は妹のすぐ隣にいる。

「彩、どうしたの?」

私が聞くと

「あ、あそこ...」

妹が指差している先には─

窓があった。窓から見えるのは、

もう、すぐそこまで迫っている隕石だった。


きゃーっ!死ぬまでやりたい100のことリスト

まだ5個しか達成してないよーっ!

といった声があがる。




私は妹、彩の手を握りしめた。

「私、彩の姉で良かった。」

思いを伝えると涙が溢れてくる。

「私も...お姉ちゃんの妹になれて良かった。」

妹の目からも沢山の涙が溢れてきた。





「今までありがとう。」


「こちらこそありがとう。
───彩花お姉ちゃん。」











えっ。今、彩花って─

初めて呼んでくれた─
















眩しいっ──









「世界の終わりに君と」


読むのにどんくらいかかった?
打つのには3時間くらいかかりました。やば。
「もっと読みたい」が7以上になりましたら
続きやります。
(現在:「もっと読みたい」が+11
※もう続き確定してます)































6/8/2024, 8:50:34 AM