美しく輝く月を見ていたら
昔、貴方が話してくれた物語を思い出した
それは、戦士の少年と魔法使いの少女が
大切ななにかを探す旅の物語で
私はわくわくしてその話に聞き入っていた
でも、旅の最中
少年が魔物にやられて意識を失ってしまった
少女は必死に呼びかけたけれど
少年は何日経っても起きなくて
少女は奇跡を求めて一人歩き出した
暗黒の洞窟、不気味な森、陰鬱な迷路
どんなに心細くても
勇気を出して進んでいたけれど
少女はついに疲れ果てて
歩みを止めてうずくまってしまった
私はこの物語の続きを知らない
二人の結末を聞く前に
眠りに落ちてしまったから
ねえ、貴方も寝ていないで
彼らの物語の続きを待っているよ
何日も起きない貴方の頬に触れて
何度も呼びかけてみるけれど
貴方はまだ目を覚まさないのね
起きて
貴方が目を覚ましてくれないと
暗く寂しい闇の中で
少女は涙を流し続けているわ
ねえ、どうかお願いよ
まだあの子たちの未来を聞いていない
きっと幸せな結末を迎えるはずなのだから
彼らの物語を終わらせないで
11/28/2024, 7:17:40 PM