『一筋の光』夜が、明けた。今しがた昇った太陽の光が、砂塵の舞う部屋に射し込む。そうして、横たわる彼女の死相を優しく照らした。虚ろに開かれた瞳に、一筋の光が射す。瞳孔に残った僅かな水分は、光を反射して煌めいた。その光景に、ヒュッと息を飲む。生きているような、瞳。その瞬間、コップの水がゴトン、と倒れるように、私はその場で泣き崩れた。
11/6/2021, 6:20:27 AM