宵街

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 相変わらず君は甘ったるい香りをさせているね。男を誘うように媚びてるみたいな香り。そのためにつけてるわけじゃないって言うけどそうにしか思えないくらいなんだよね。
 量をつけすぎてるとかそんな感じ。もう少し薄くてもいいと思う。

 そう言うと君はそうかなぁ…と悩みだす。別につけすぎてるとかそんなわけじゃなくて、私がただ君が変わっていくのが許せないだけだった。

 甘ったるいのは私の方だ。君を取られたくなくてこんなことして。私に押し倒されてまんざらでもない顔をしてる君を見て調子に乗ったりなんかしてる私は、本当に醜い。

 香水の代わりに私の匂いをつけておけばいいんだ。

 そうして私は君の首筋に噛み付く。上ずった声を上げる君を好き勝手するために。

44.『香水』

8/30/2023, 1:49:03 PM