怜@BL

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#4【未来への鍵】
※同性愛要素、過呼吸の表現を含みます


「ひゅっ、かはっ…はぁ、っは…」
体育館裏。
僕は隣で過呼吸を引き起こした君を宥めている。
君は喘息持ちで、吸入をしたばかり。
「だいじょーぶ、だいじょーぶ…」
背中をさすってると、呼吸のスピードが一定になってきた。
「…っう、ひくっ、はぁ……落ち着いた、」
「良かった、お疲れ様。」
「俺…ずっとお前に迷惑かけてるよな…
ごめん…」
君は申し訳なさそうに僕に頭を下げる。
「謝んないで、迷惑なんかじゃないよ。」
「……ハグ、して…欲しいかも…」
君の顔は真っ赤だ。
親友、なんじゃなかったっけ…?
「分かった。おいで?」
そんな疑問を抱きながらも、両腕を広げた。
ぎゅっ
僕の腕の中に入ってきた君。
今はとても小さく見えた。
「…好き。」
腕の中から聞こえてきた言葉に、僕は軽く飛び跳ねてしまった。
「へ!?」
「ふへ、びっくりした?」
君は笑いながら言う。
「も〜…分かりにくい冗談禁止!」
「は?本当だし。」
声のトーンが低くなった。
「ほんと…?」
「ほんと。」
伝えないと、今。
好きだって。
「僕、も…好きだよ。」
「え、マジで言ってる?」
「うん…」
未来への扉が開く音が、聞こえた気がした。

1/10/2025, 1:12:18 PM