もし、許されるのなら、ーーだけは、掬い上げてください。
ーーは、ボクのワガママに付き合ってくれただけだから。
だから、ーーは悪くない。
どうか、どうか、彼だけは、救ってください。
彼は、俺のシナリオに沿っていただけで。
彼の罪は、咎は、本当は、俺が背負うはずのもので。
ボクが堕ちるのは構わない。それだけのことをしたんだもの、当然だよね。
でも、ーーは、違う。それなのに、ボクと同じになるなんて、おかしいでしょ?
彼は、こんなことをするような人じゃない。
それが本当に彼の全てかと言えば、そんなことはない。
ボクが、手を離したら、ーーは助けてもらえるのかなぁ?
だったら、ボクから手を離すよ。むしろ、勝手に転がり堕ちそうだけどね。
だとしても、背負わせてしまったことに変わりはない。
本来なら、俺が背負うべきだったのに。
ねぇ。カミサマ。
神様。お願いです。
”神様へ”と願うこと自体が、意味のないことだとしても。
縋るモノさえないことにさえ気づかない愚かさを知りながら。
それでも願わずにはいられない自分が、何よりも惨めで情けなくて滑稽でしかなかった。
神様へ
4/14/2023, 3:05:13 PM