【エイプリルフール】
「嘘つき」
その言葉が、胸を圧迫するようにずん、と重くのしかかった。呼吸が浅くなるのを感じる。言葉の主の泣きそうに責める口調。彼女は目に涙をいっぱいに溜めて上目遣いに僕を睨んでいる。眉にかかる固められた前髪は瞬くたびに揺れる。僕の肩よりも背の低い彼女は、ずっと上を見つめていた。太陽がじわじわと首を焼くような、よく晴れた春の日のことだった。
「傷つけても許される日じゃないからね」
震えた声でそう言うと、彼女の涙が一滴、また一滴と垂れていく。弁解を終えた僕はなにをすることもなくただうつむくことしかできなかった。風が吹かない、静止画のような景色。エイプリルフールなんて、誰が考えたのか。お腹の上の方がぎゅっと痛んだ。
4/1/2026, 12:29:27 PM