太陽みたいに明るいその人は、いつだって僕の事を無条件に照らしてくれる。その暖かさが心地好くて好きだった。
でも彼女は、誰がどう見たって魅力的な人なのに自分を好きになれない苦しい人だった。あれだけ隣に居た僕の肩にただ寄り掛かる事でさえ躊躇うような、悲しい人だった。
何度も声を掛けた。
〝そんな事負担になんて思わないよ〟
〝僕には頼ってよ、辛い事は教えてよ〟
〝君がくれた暖かさを少しでも返したいんだ〟
〝笑いかけてくれる嬉しさを、分かち合いたいんだ〟
緩やかに、緩やかに彼女は僕の言葉を飲み込んではくれるけど、僕の願いは飲み込まないまま、今日も暖かく笑う。
ああ、嗚呼、もう僕は何もいらないから、だからどうか。
彼女が何にも苛まれず、心から楽しいと思えますように。
4/20/2023, 11:40:19 PM