NoName

Open App

私に足りぬのは涙
またあまり余っていたのも涙であった
塵のようなわずかな涙が
瞳から溢れ出していた

気づけばそんな日が
ずっと
ずっと続いて

悲しいのかはわからない
嬉しいのかもしれない
かえって怒りなのか
それ以外なのか

私には
わからない

私に足りぬ涙は
そういったものかもしれない

人生の何処かで
私は必ず悶え苦しまねばならぬ
…その筈なのに
私はその苦しみの涙を知らなかった

狂気に満ちたこの世に
必要な涙が欠けていた

涙は
行き場のない感情が行き着く
目的地なのかもしれない

3/29/2025, 2:47:46 PM