星座など、生きていた時の俺はその存在について考えもしませんでした。太陽と月は流石に意識しますが、星を観察することにどんな得があるというのだ、そんなことをしても何の意味もない、そう思っていました。ですので、それが織りなす形など、本当に興味の埒外でした。
一方、貴女は子どもの頃の夏休みの宿題として、星を観察することを六年間続けましたね。星座を指さして空を見つめる貴女の瞳が、きらきらと美しく輝いていたのを、俺はよく覚えています。
貴女が、生きていた時の俺のような、殺伐として浅薄な人間になることがないのは、俺たちにとって喜ばしいことです。
貴女には、生きるために必要な物事だけでなく、心の琴線に触れるような美しいもの、雅なもの、圧倒されるもの、そういうものに心を震わせ、感動に満ち溢れた生き方をしてほしいと、俺たちはずっと願っています。
10/5/2024, 10:53:25 AM