【遠い足音】
「もも!おいで!」
そう名前を呼ぶと
桃色の首輪の鈴を鳴らしながら
嬉しそうにこっちに駆け寄ってくれる。
オレの一番の愛猫 『桃子』
実家には4匹も猫を飼っているが
その中でも一番お気に入りの子だ。
きれいな毛並み、
凛とした顔、
きなこもちのような模様、
可愛い鳴き声、
上品でおしとやかな仕草、
全てが愛おしい。
初めて家に来てから
ずっとオレの胸元に乗って寝るのが好きだった。
自分で扉を開ける賢い子で
寂しくなると手でおねだりして布団に入ってくる。
実家に過ごしていた時は
一緒に寝るのが当たり前だった。
振り向いたら近くにいる。
絵を描いている時も、
飯を食べる時も、
ずっと一緒だった。
…今どうしてるかな
寂しくしてないかな
体調崩してないかな
会いたいな…。
10/2/2025, 10:33:14 PM