徒花

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「冬は一緒に」

雪が降ったら、友達と雪遊びをしたいな。

クリスマスにはクリスマスパーティを開いて友達とプレゼント交換をしたいな。
美味しいチキンやシャンメリーを飲みたいな。

大晦日には年越しそばを食べたり、初詣に行きたいな。
それで夜遅くまで起きてお菓子を食べたりゲームをしたり、友達とお話したり。

元日には一緒に福袋を買って、おせちを食べて。
お餅でおしるこや、お雑煮を食べたいな。

あれもいいな、これもいいな。
冬は楽しいことがいっぱいで…いっぱいで…
したいこと全部に誰かと一緒にという言葉が付く

冬は一見、行事も沢山あって楽しいことで溢れてるように見えるけど、そのどれもが誰かと一緒にしてこそ楽しい行事ばかりで、1人ではとても楽しめそうにない。

1人では悲しいだけだ、切ないだけだ。
冬の寒さがまるで、心まで凍らせていくように
夢から現実に引き戻される。

誰かと一緒に楽しむなんて空想の世界だけだ。
雪遊びも、クリスマス会も、年越しも、賑やかで楽しいのは全部空想の中だけ。

周りが楽しそうに会話を弾ませるなか、私はポツンとしている。

同じ冬を過ごしているはずなのに、冬を共に過ごす仲間がいるのといないのでは、こんなにも違う。

できるのはただ楽しい夢を見ることだけ。
楽しくて、優しくて、暖かい一時の夢。

空想の世界だけは誰も私をいじめないし、笑うことも、仲間はずれにすることも無い。
みんな仲良くて、優しくて、暖かいそんな空想をする。

痛みを隠したくて、悲しさを紛らわせたくて
現実から目を背けたくて空想する。
そうでもしないと、この冬を越せそうにないから

12/19/2022, 9:50:07 AM