くまさんのことぶき

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あの日は命日だった。
亡骸に血塗られた壁を焼き付けた。
小さな肩が揺れ、今にも止まりそうで
とまらないとまらない、鼓動が
鳴り響く、呼吸が消え失せる
衣擦れの音が、これが現実なのだと
報せる、大きなアラームのように途切れた
心が死ぬ音は只、乾いて揺れた
冷静な心は固く脆く錆びついたナイフだ
心の灯が懐かしく消える頃
初めて人を殺そうかと目を閉じた
そう目を閉じただけだった
一瞬とてつもない強さで重ねて誓った
十二単の重みのようにずっしりと
離れない心の癌なのだ
そんな風にして今も命日が今の私の
誕生日で違う人生があった
小さな肩の少女の命日だ

くまさんのことぶき

2/7/2024, 12:39:30 PM