ヨルガオ(短編小説)

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「……今日、放課後空いてる?」

「君に伝えたい事があるんだ」

『……わかった』

そう返事をし、君は教室を出た。

……。

放課後、教室を覗くと君が一人いた。

伝えられる。この気持ち……。

「待たせてごめん。……えっと…」

「実は、僕…空のことがずっと好きで……」

「…えっと…だから………その……」

「ッ……!ぼ、僕と付き合ってください!!」

手を彼女に差し出し、目を瞑って下を向いた。

だが、その手に空が触れることは無かった。

『……まず、告白してくれてありがとう』

『気持ちは嬉しい。……けど』

『私、好きって事がまだよくわからなくて…』

『だから……ごめん』

断られた……ってことか?

でも、今はまだわからないだけでアタックはしてもいいってことなのか??

どっちなんだ…。

帰り道を歩きながらそんな事を考えた。


ーあいまいな空ー

6/14/2023, 10:52:25 AM