夏になると、祖父は決まって栃木県の烏山へ遊びに行き、
私も幾度か一緒に連れていってもらった。
鮎を食べたり、蛍を見たり、
夏の思い出がぎゅっとつまっている。
お祭りの屋台で、当時流行っていたサッカーチームのユニフォームが欲しくなりねだって買ってもらった。
祖父と二人、揃いのユニフォームに袖を通し記念撮影。
先日、アルバムの整理をしてこの時の写真を発見した。
びっくりするくらい、2人ともいい笑顔をしている。
・神輿をかつぐ人々の熱気と太鼓の音
・焼きそばやお好み焼きのソースの匂い
・人が溢れてはぐれないかと少しだけヒヤヒヤしたこと
・怖がりながら、大きな犬の頭をわしゃわしゃした手の感触
一気に記憶がよみがえってきた。
あの頃に戻りたいような、
もう戻れないと分かっているから
より一層色濃く感じられるのか。
あまりに無邪気な自分の笑顔をみていたら、
少しだけ涙が出た。
106:遠い日の記憶
7/17/2024, 12:17:21 PM