不特定多数

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だから、一人でいたい。

友達と話すあなたを目で追う。笑っている。私を壊した張本人だっていうのに、それはそれは楽しそうに笑っている。

彼女はいつも輪の中心で、一人でいるところを見たことがない。いつ見ても友達と一緒で、色々なグループと遊んでいるのかそこかしこから噂を聞く、ような気がする。
私は外からそれを見ていた。関わることもなかった。例えるならば、光の彼女と、蛾の私。私は光に背を向けて、いつも一人でいた。
別に寂しくはなかった。それは平穏で、平静で。そのままでよかった。
だというのに、あなたは私を照らした。照らしてしまった。
私に笑いかけて、私の手を引いて、私を見ていた。そしてまた離れていく。普段だったら、そんなのとっくに切り捨てている。
だのに目が合うから。そんな目で見るから。
もう、訳が分からなかった。
それからふとしたことにあなたを思い出す。目で追いかけてしまうし、前より噂が頭に入ってくる。
本当に、嫌だった。こんな情けない自分も、私をめちゃくちゃに壊してしまったあなたも。
こんな思いをするくらいならいっそ初めから、一人のまま。
だから、一人でいたかったのに。

8/1/2024, 7:57:51 AM