ただひとりの君へ。
いや、君なんて一人に決まっとるやろがい。
という話なのだが、確かに「君」単体だと代替可能な言葉になると思う。
笑っている君、悲しんでいる君、楽しんでいる君、記憶の中の君……
例を出せば出すほど深まる、モブ感のある「君」。
すなわち代名詞として使われる「君」なのだが。
そういった意味の持つ「君」は、作品内でいくつも使った。登場人物さえ名前で書かず、君は〜、などと済ます。だって、ぽっと出の短編なんだもの。
でも、そういった深みのない内容もない、
面白みもないエグみもない、
マネキンのような空虚な存在で、設定を持たそうともしない、読者が勝手に想像する服装を着込んだ君を主人公に据えることで、枚挙にいとまがない調べを作り出したいだよね、
っていう作者の戯言。
もうちょっと擬人化してやりたいよなぁ、って思ったりした。西洋画みたいに、人でないものを人にする。
物語だってそうじゃん、人でないものを人にする。一介のモブを主人公に……
1/20/2025, 9:29:47 AM