るに

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オーバーサイズのパーカー、
短い黒のスカート、
ひらひらがついた
かかとの高い靴。
どれも昨日買ったばかりの新品。
私の大好きが詰まった物ばかり。
幸せすぎて辛くなってくる。
どうせ1週間もすれば
全部普通になっちゃうけど。
家を出て
真っ直ぐ山へ向かう。
山登りの格好じゃないことはわかってる。
でもそれがいい。
少し登ったところで
登山コースを外れ
右に大きく曲がっていく。
すると
湖と綺麗な紅葉が広がるところに出る。
ちょっと上がって
羽根なんか無いのに
あるかのように
大空へジャンプして飛び出す。
もちろん垂直落下。
冬の水は冷たくて
凍ってしまいそうだった。
溺れるみたいに
息を全て吐き出す。
水中の空気は綺麗だ。
水面も泡沫ができて綺麗。
でも陸では見えない。
綺麗なのになぁ。
本当に溺れて溺死しそうだったので
仕方なく水面に顔を出す。
白鷺が丁度水を飲みに来ていたらしく
私が顔を出して驚いて飛んで行った。
至福のひとときを邪魔しちゃったかなと
申し訳なくなった。
大好きな物と大好きな場所に包まれてる時
大好きな言葉にも包んでもらおうと
大好きな漫画の一言を小声で言う。
"Good Midnight!"
まだ真昼なのに夜とか
全然あってない。
けど
そんなことはどうでも良くて
ただ好きなことを好きなだけしていたかった。
それだけ。

12/21/2024, 11:55:40 AM