NoName

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意味深でいて、意味の無い言葉。漬物石で蓋をした、糠床の中の干からびた大根みたい。
紅白饅頭の、おめでたさを知っている世代の悲しみは、脈々と続く歴史の悲しみだ。
幸福を幸福と思えない、私のあり方は、多分人から見れば、不幸そのものかもしれない。
幸福論は、私を幸せにしなかった。ハイデガーもフロイトも、私を幸せにはしなかった。
涙を流す目の前の友人に、手を伸ばせなかったのは、私。
ごめんなさいって、言えなかったのも私。
せめて、もっとマシなことを言えばよかったって思ってる。
言葉に乗せて、言葉になりきれない気持ちが、噴出するように、書きたい。
積み重なる、打算の数ほど意味の無いものはなくて、損得勘定だけで、動く私に、呆れを通り越して、矛盾を感じる。
スランプの一字で片付けられない、不安定な心。
せめて、今日一日はと、蓋をして見ないようにして書く。
動いても贖いはなく、罪深い私だけが貯まっていく。
さようなら、意味の無い言の葉。
さようなら、昨日の書けない自分。
せめて、道化のようにつれない友達と、喧嘩別れにならない方法を考えればよかった。
意味のないこと。

11/8/2023, 10:19:08 AM