題名:灯火を囲んで
ぽっと灯りが付いた。
キャンプファイヤーのようなメラメラしている炎とは違い、パチパチとする小さい炎。
「綺麗だね、線香花火。」
「そうだね。だけど、もうすぐ終わっちゃうよ。」
私の線香花火は尽きて、友達の線香花火はまだ続いていた。
線香花火を見ると、苦い思い出がよみがえる。失恋したあの時に似ているから。
─線香花火みたいにすぐに終わっちゃったね。
私が読んでいた本に出てきた言葉が、失恋後すぐに私を攻撃した。
線香花火の寿命は短く尽きた。友達の線香花火も、終わってしまった。私が下を向いていると友達は言った。
「もう一回やらない?」
「うん。」
この夜に明るい灯火が弱くついた。
それは綺麗としか言いようがならなかった。
私はまた、恋をしようと、友達に励まされたと、勝手に解釈している。相変わらず、私は変な人なのかもしれないな。
線香花火と恋なんて、今一番関わりがないからさ。
11/7/2025, 10:57:31 AM